町並みまちづくりによる中心商店街の活性化−滋賀県長浜市の事例−

久世 晋一郎

☆目次

第1章 中心商店街の現況・問題点と研究の目的・方法

1. 中心商店街の現況と問題点

2. 本研究の目的

3. 従来の研究

4. 研究の方法

第2章 地域概観

第3章 町並みまちづくり以前の中心商店街

1. 調査対象商店街の概要

2. 中心商店街が抱えていた問題

第4章 地元民間主導によるまちづくり

1. 長浜城歴史博物館の建設

2. 長浜市博物館都市構想

3. 黒壁によるまちづくり

4. ながはま御坊表参道商店街の景観形成による活性化

5. 北国街道町衆の会

6. 町並みに関する協定・ガイドライン

7. 活性化プランの進展要因

第5章 中心商店街におけるまちづくり・その効果と新たな問題点

1. 景観形成(町並み保全)の広がり

2. 各商店レベルにおける店舗改築の理由

3. 景観形成の商業面における効果

4. 地域全体としての効果

5. 新たな問題点

6. 今後のまちづくりへの期待

7. まとめ

第6章 提言

1. 町並みまちづくりに対する提言

2. 地域研究の課題


☆各章の内容

第1章 中心商店街の現況と問題点と研究の目的・方法

はじめに、現在の中心商店街のほとんどが停滞・衰退状況にあることを示し、一般的にいわれている活性化策を紹介した上で、これらが根本的な解決をもたらしていないことを述べる。

次に研究の目的を述べ、従来の商業地、あるいは景観研究の中で、商店街の活性化策としての町並みまちづくりに関する研究がかなり少ないことを述べる。

第2章 地域概観

調査地域の長浜市に関して、その歴史、人口、人口流入、商圏、観光動向を捉え、滋賀県における長浜市の位置を確認する。

第3章 町並みまちづくり以前の中心商店街

調査対象商店街の概要に触れた上で、町並みまちづくり以前、中心商店街がどういった問題を抱えていたかを、資料、および聞き取り・アンケート調査の結果から考え、早急な活性化策が望まれていたことを述べる。

第4章 民間主導によるまちづくり

民間主導のまちづくりの発端となった長浜城建設(83年)から、黒壁、表参道、北国街道等の中心商店街における活性化プランを紹介し、その進展要因を述べる。そこでは、地元民間主導というかたちをとりつつも、行政のバックアップがあったことなどについて言及する。

第5章 中心商店街におけるまちづくり・その効果と新たな問題点

まちづくりの効果を、店舗改築の面的拡大、店舗経営面における結果から捉えた上で、アンケート調査の結果に基づき、店舗改築をした商店とそうでない商店、および商店主と観光客のまちづくりや景観に関する意識、評価の違いを述べる。さらに、観光客の大量流入等による問題点、地域がどういったまちづくりを期待しているかに触れる。それによって、長浜のまちづくりは一般的に高い評価を受けつつも実は様々な問題を内包し、現在では停滞状況に置かれつつあることを述べる。

第6章 提言

前章の結果に基づいて、町並みまちづくりによる地域活性化には地域社会・文化・生活との一体性が必要であることを説き、具体的方法を提案する。また、それに対し今後地域研究の分野にはどういったアプローチが必要かを若干触れる。


☆主要引用文献

・大河直躬編(1997)『歴史的遺産の保存・活用とまちづくり』,学芸出版社,254P
・戸所 隆 (1991):『商業近代化と都市』,古今書院,333p.
・長浜市総務部市史編さん担当(1993):『長浜物語』,長浜市制50周年記念事業実行委員会,231p
・福田珠巳(1996):赤瓦は何を語るか−沖縄県八重山諸島における町並み保存運動−,地理学評論69A,727-743

神戸大学・発達科学部・澤ゼミの内容